私がこれまでに遭遇したありがちな英語の間違いを挙げていく。
いずれも英語学習者だとやってしまいがちな誤りだ。
①「It's meaning 〜.」
これは誤りだ。
「それは〜ということだ(それは〜を意味する)」という意味の英語の表現は、「It means 〜.」になる。
「It means (that) you're free.(君は自由ということだ)」のように。
これはインドで日本人の旅行者が使っていた間違いの表現だが、これだけである程度その人の学歴が分かってしまう。
大学受験をそこそこやった人なら、この英語表現は習うはずだ。
「It's meaning 〜.」と言うことはない。
②「It's opening from 9:00a.m. to 21:00p.m.」
これはタリーズの看板にあった間違いだ。
「営業中」という意味の英語の表現は形容詞の「open」を使う。
よって正しくは「It's open from 9a.m. to 21:00p.m.」だ。
動詞の「open」を使う場合には、それは「開店する」という意味になる。
「The store opens at 9a.m.(そのお店は午前9時に開店する)」のように。
進行形の形「be opening」になることはない。
ちなみに、「営業中」は「open」だが、「準備中(閉まっている、閉店している)」の英語は動詞の過去分詞形の「closed」を形容詞的に用いる。
少し詳しく英文法の解説をすると、動詞の現在分詞と過去分詞は形容詞的に使うことができる。
現在分詞とは動詞の「〜ing形」をとり、「〜している」という意味を表す。例としては、「a sleeping boy」なら「寝ている少年」になる。
過去分詞は動詞の「〜ed形(不規則変化の場合もある)」をとり、「〜された」という意味を表す。例えば、「a broken chair」なら「壊された椅子」となる。
話をお店の営業看板に戻すと「closed」ではなく「close」の場合、別の「クロース」という発音になり意味も「近い、親しい」になる。「a close friend(親しい友人)」のように。
形容詞の「close」に「閉まっている、閉店している」という意味はない。
では動詞の「close」ならどうかと言うと、いきなり営業看板に「close(〜は閉店する、〜は閉まる)」と書いてあっても、何が閉まるのかという主語が書いてなくて意味不明である。
③「It's sucks.」
「酷い」「最悪」「つまらない」を表すスラングの口語表現は、「◯◯ sucks」の形で使われる。
「suck」は動詞で、語尾に付く「s」は三単現のSである。
例えば、「My job sucks!(私の仕事、最悪!)」や「Life sucks!(人生はクソだ!)」みたいに。
過去形なら「The movie sucked.(その映画は最悪だった)」のようになる。
この表現は主語の後にBe動詞を入れてしまいがちだ。
アメリカ留学中に韓国からの留学生が誤って使っていた。
④「Concentration!」
これはある知り合いが言った誤った表現だ。
シチュエーションはこうだ。
彼はとある新興宗教の信者で、何故か私は彼に誘われるがままにその集会に行った。
そこでの教祖の話が長く退屈だったので、私は携帯を取り出してそれをいじっていた。
その瞬間、彼は言った。
「Concentration!」
私は失笑した。
これは大間違いである。
「集中して!」或いは「集中しろ!」なら、動詞の「Concentrate」を使わなくてはいけない。
彼が言ったのは、あたかもカラオケボックスで「歌え!(Sing!)」という代わりに「歌!(Song!)」と叫ぶようなものだ。