人類の祖先、ルーシーの名前の秘密【ビートルズのドラッグソング】
アフリカで発見された人類の祖先の女性の名はルーシーという。
なぜかと言うと、彼女を発見した時に調査団がビートルズの「ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイアモンド」を歌っていたからだそうだ。
この曲の歌詞は「ルーシーがダイアモンドと空にいる」というぶっ飛んだものだったのと、英語でのタイトルが「Lucy in the Sky with Diamonds」となり頭文字をとるとLSDになるため、ドラッグのLSDについての曲なのではないかと作詞をしたジョンは疑われた。
LSDとは強力な幻覚剤である。
残念ながら自分は経験したことがないが(ま〜、してても困るが)、なんでも場合によっては天国にいるかのような信じられない恍惚とした体験をするらしい。
場合によってはと書いたのは、「バッド・トリップ」という地獄の体験をする可能性もあるからだ。
また、「ゴーン(gone)」と言ってあっちの世界から戻って来れなくなる可能性もある非常にリスキーな薬物だ。
話をジョンに戻すと、彼はインタヴューで「息子のジュリアンが描いた絵を歌にしただけだよ」と言っているが真相はどうなのだろう。
当時影響力の大きかったビートルズは、他のバンドに比べて放送禁止の曲が多かった。
少しでもドラッグのニュアンスがあると放送禁止にされたのだ。
だから、このジョンの発言はそれらの措置を回避するためのものだったのではないだろうか。
ビートルズにはドラッグ関係の曲が多数ある。
ボブ・ディランにマリファナを教えてもらったとか、ポール・マッカートニーとジョン・レノンが1965年に初めてLSDを摂取したなどと言われている。
ビートルズ最初期のドラッグソングと言えば「デイ・トリッパー」(1965)である。
「トリップ」という言葉には「ドラッグでハイになる、LSDでトリップする」という意味もあり、後にジョンとポールはこの曲をドラッグソングだと認めている。
次はアルバム「リボルバー」から「ガール」(1965)。
曲中のサビでの大袈裟な息継ぎは、大麻を吸う仕草と噂されている。
この「ガット・トゥ・ゲット・ユー・イントゥ・マイ・ライフ」、一見すると熱烈なラブソングのようだが、ポールは「実はマリファナについての歌」と発言しており、マリファナを使った時の高揚感を歌にしたものだそう。
ちなみに、ポールはインタヴューで2015年まで大麻を吸っていたと答えている。
この「シーセッド・シーセッド」もドラッグソングらしい。
歌詞に「She said I know what it's like to be dead.(死ぬということがどんなものなのか自分は知っていると彼女は言った)」という箇所があるが、それはこういうことだと言う。
俳優のピーター・フォンダは死にかけた経験があるそうで、あるパーティーでジョンとLSDを摂取した際、自分の死にかけた経験をやたらと連呼して皆に煙たがられたという逸話から取ったとされる。
次の「ドクターロバート」。
何でも処方しちゃうヤバい医者についての曲だが、一説によるとニューヨークに実在したロバート・フレイマンという医師のことであると言われている。
彼はクリニックを経営する傍ら覚醒剤やLSDを裏で回していたらしいが、その界隈では有名だったそうだ。
他の説では「ドクターロバート」とはボブ・ディランのことだと言う。
ボブはロバートの愛称だ。
「トゥモロー・ネバー・ノウズ」はティモシー・リアリー著の『チベットの死者の書』を読んだジョンが触発されて作ったと言われている。
ティモシー・リアリーとは元ハーバード大学の心理学教授で、大学でLSDを使った研究をするなど、当時のドラッグカルチャーの中心的な人物だった。
次の「ウィズ・ア・リトル・ヘルプ・フロム・マイ・フレンズ」は、「I get high with a little help from my friends」の「get high」が「ハイになる」、「friends」がドラッグを指しているとする解釈もあるそうだ。
この「ア・ザイ・イン・ザ・ライフ」の「I’d love to turn you on」の歌詞は、BBCから嫌われたらしい。
前述のティモシー・リアリーによって広められた1960年代ヒッピームーブメント時代のフレーズに「Turn on, tune in, drop out(スイッチを入れ、波長を合わせ、脱落しろ)」というのがあったのだが、それとの関連で「turn on」という言葉がドラッグを連想させるからだ。
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次の「エヴリバディーズ・ゴット・サムシング・トゥ・ハイド・エクセプト・ミー・アンド・マイ・モンキー」。
「モンキー」には「ヘロイン中毒者」という意味があるそうだ。
ジョン・レノンはストレスから、この頃になるとヘロインに手を出していたらしい。
ポールはインタヴューで、「ホワイトアルバムの頃になると、ジョンはドラッグとかモンキーのことについて歌うようになって僕は非常に苦労していた」と発言している。
この曲の「I need a fix 'cause I'm going down」の「fix」には「麻薬を打つこと」という意味があり、歌詞を訳すと「気分が落ち込んでいるから麻薬を打つ必要がある」となる。