高校生の時の楽器屋でのアルバイトの思い出

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高校3年開始前の夏休みに楽器屋でアルバイトをした。

その頃はアメリカの高校に通っていたので、学年は9月スタートの5月下旬か6月上旬終わりだった。

私が日本にある楽器屋でバイトしていたのは、アメリカの高校の夏休みにあたる期間(6月〜8月)だった。

楽器屋で働く機会に恵まれたのは、アメリカの同じ高校に通う日本人の友人がある楽器屋の社長の息子だったからだ。

その彼自身は何の楽器もやっていなかった。

私はその頃、ギターをやっていた。

どのようにして私が彼の父親が経営する楽器屋で働くことになったのかは覚えていない。

たぶん彼が彼の父親に私がギター好きであることを話していて、じゃ〜ウチで働けば?となったのだろう。

秋葉原にある楽器屋だった。

その楽器屋で初めのうちはフルタイムで働いていたが、途中から午前中だけになった。

私があまりに戦力にならないので、1日中いてもらっても意味がないと判断してのことだったに違いない。

それぐらい私は役に立たなかった。

楽器店の小さな社会だったが、その中でも色々なドラマがあった。

記憶が曖昧なので、人の名前はイニシャルではなく単にAから順に割り当てて行く。

まずはAさん。

この人はいつも店長の後を金魚のフンみたいについて歩いてた。

虎の威を借る狐だ。

性格が悪く、恐らく皆に嫌われていた。

だが、ギターを弾くのは上手かった。

ある時、新しく入荷したギターを試し弾きしてこう言った。

「このギター、ロックしてるな〜!」

熱い男なのである。

聞いているこっちが恥かしくなるようなセリフを平然と言ってのけた。

英語でも「ロックする」という言い方はある。

We will rock you」とか「Only you can rock me」とか。

両方ともロックの曲名だ。

日常会話の中でROCKという言葉を使っているのは聞いたことがない。

続いてBさんは小太りの金太郎のような風貌をしていた。

聞いた話によると、どこに行っても使い物にならなくて店を転々としているらしかった。

この人は1日に5回ぐらい自販機でジュースを買っていた。

糖尿病が心配だ。

ドラマーのCさんは関西の出身で、大して面白くもない冗談をいつも言っていて反応に困った。

このCさんと私が仲の良かったSさん(この人の名前は覚えているのでイニシャルで)とはバンドを組んでいたのだが、私より後にバイトに入った大学生のDさんがそのバンドのギタリストの座をSさんから奪ってしまった。

当然ながらDさんとSさんの仲はギクシャクしていた。

私はSさんと懇意にしていたしDさんとはよく一緒に働いていたので、軽い板挟みの状態にあった。

この秋葉原にあった楽器屋には地下の3階にライヴ・ハウスがあり、そこにはステージと客席があってバーも付いていた。

Sさんが働いていたのが地下1階で私が働いていたのが地下2階、ライヴ・ハウスがあったのが地下3階だ。

そのライブ・ハウスの受付にいたKさん(この人の名前も覚えている)とSさんは付き合っていた。

そのKさんが海に行ったという話を聞きAさんが言った。

「え〜、Kさんの水着姿見たいな〜」と。

それをSさんに伝えると、「だから、あの人(Aさん)モテないんだよ。。。」と呆れていた。

Sさんのフロアにはその楽器屋で一番ギターが上手いと評判のEさんがいた。

私とも割と仲が良かった。  

Eさんにはギターを教えてもらったりした。

理由は知らないが、私がその楽器屋で働いていた期間中に辞めてしまった。

次に行こう。

私のフロアには「男はつらいよ」で源ちゃんを演じた、佐藤蛾次郎にそっくりなFさんという人がいた。

ブルーズ好きな人だったが、無知な私は有線で流れていたメタル(ヘビーメタルのこと)の曲名をFさんに訊いたりしていた。

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(佐藤蛾次郎↑)

あとYさん(この人もイニシャルで)という人もいた。

ボサボサの長髪を結ばないで下ろしていた。

ろくに働かない私に対して、皆さんよくしてくれて感謝している。

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