私はこのブログの過去の記事で日本における英語神話を批判的に書いたので、私が今英語の学習法を書くことに訝る向きもあるかもしれない。
たしかに、私は日本における過熱した英語神話を冷ややかな目で見ている。
しかし、だからといって私が英語を嫌いだということにはならない。
私は飽くまでその過剰な英語習得熱を批判しているのであって、英語の存在そのものを否定しているわけではない。
私の英語学習歴を書くと、まずはアメリカの高校編入と21の時にしたインド放浪という実戦に、24の時に受験したTOEICと大検のための座学、そしてまたした25の時のインド放浪の実戦がある。
さらに2年半前(2021年6月)から英語を勉強している。
主に大学受験用の参考書を使いながら。
私は英語のより実践的な技能であるスピーキングとリスニングを学習した経験と、資格試験のために文法とリーディングを中心に学習した経験の両方を持つ。
まずは高校1年で日本の学校を辞め、アメリカの高校に編入した。
当時はろくに英語ができなかった。
日本の中高では勉強をサボっていたので、関係代名詞すらきちんと理解していたか怪しい。
だから、当然、アメリカでの生活は困難を極めた。
なんとか高校を卒業すると、大学へは行かずにインドへ放浪の旅に出た。
21の時である。
この時に一気に英語力がついた。
なにせバックパッカーという人々は暇である。
だから、朝っぱらから5人〜10人くらいの旅人が集まると、輪を作って井戸端会議をする。
話す内容は何でもいい。
インドの他の町のことだったり、好きな音楽や過去に見た映画の話だったりする。
使用する言語は英語だ。
世界各国からの旅行者がいるので、自然と共通語としてお互いの会話で用いるのは英語となる。
私の英語力はこうして世界中からの旅行者と毎日朝から晩まで話すうちに急速に上達していった。
例としてこんなことがあった。
インドのビザが切れるので首都のニューデリーに行った時、半年前にインドの北部の町で会ったことのあるイスラエル人の旅行者と偶然再会したのだが、彼女に半年前に会話した時には私の英語をほとんど理解できなかったと言われた。
彼女は上達した私の英語を聞いて、最初同一人物かどうか分からなかったそうだ。
こうして約1年のインド放浪を終えると日本に帰国した。
帰国してから、日本でメジャーになっていたTOEICを24の時に受験した。
3ヶ月はみっちり勉強した。
結果は940/980だった。
TOEICの受験後にセンター試験過去問の英語を10年分解いてみたが、ほぼ全ての年度の試験で半分以下の時間で9割取れた。
24の時には大検も受けた。
そして、25の時にまたインドへ行った。
今回は旅に出る前に英語は喋れる状態だった。
1年ほどまたインドに滞在して、その間、日本人の旅行者と話す以外はずっと英語だった。
この時が私のスピーキングの能力の頂点にあったのではないかと思う。
日常会話から込み入った話まで、英語で難なくすることができた。
帰国後は外資系企業に就職した。
理由はわからないが、29〜42の間は英語から遠ざかっていた。
知り合いにイギリス人がいたのでたまに彼と英語で会話したが、それ以外では特に英語を用いることもなく過ごした。
だが、急に意欲が湧いてきて、42の時から英語を今に至るまで勉強している。
このようにざっと私の英語遍歴を書いてきたが、ここからはその過程で学んだ効果的な英語の勉強法を書いてみる。
私の結論ではやはり第二言語として英語を学ぶんだったら、しっかりと文法から勉強すべきだと思う。
たしかに文法を知らなくても英語は話せるが、文法を知っていたほうが応用が効くし何かと便利だ。
文法の知識の重要さは、洋書を読むときにより顕著である。
いずれにせよ、高度な英語を使いこなすためには文法の知識は必須だ。
私はTOEICを受験した時、文法の知識があまりなかった。
何しろ、接続詞のthatを理解してなかったのだから。
接続詞のthatとは「I think that he is a liar.」のように使われ、that以下の「he is a liar(彼は嘘つきだ)」という文を名詞のかたまりにして、「I think that he is a liar.(私は彼は嘘つきだと思う)」のように文と文を繋げる働きをする。
この接続詞のthatを、私は42歳以降になって始めた英語の勉強によって初めて知った。
それ以前も感覚的に理解して英語を話したり読んだりしてた可能性はあるが、きちんと頭で理解したのはその時が初めてだ。
このように文法の知識が欠如していたにも拘らずTOEICでは高得点を取れた。
それ故に、私はTOEICは正確に英語力を測る試験としては欠陥があるのではないかと思っている。
英語を文法の基礎から勉強して行くには、大学受験の参考書を使うといい。
TOEIC用の参考書や英語学習の一般書より、大学受験用のそれのほうが質が高い。
文法を一から学ぶには、「大岩のいちばんはじめの英文法【超基礎文法編】」という本がいい。
形容詞とは何か?副詞とは何か?といった基礎の基礎から英文法を説明してある。
形容詞は名詞を修飾し、副詞は動詞・形容詞・他の副詞・文全体などの名詞以外を修飾する。
例えば、「She is a very beautiful woman.」という英文だったら、形容詞のbeautifulは名詞のwomanを「美しい女性」と修飾する。
副詞のveryは形容詞のbeautifulを修飾し、「とても美しい」とする。
また、fast(早い・早く)は形容詞、副詞とも同じ形である。
形容詞の場合は「fast train(早い電車)」のように名詞のtrainを修飾し、副詞の場合は「He runs fast.」のfastのように動詞のrunsを修飾して「早く走る」となる。
この本にはこれらのような基礎の基礎から英文法が解説してある。
私は誇張ではなく、今までに10回ぐらいはこの本を最初から最後まで読んだと思う。
基礎を学んだ後の2冊目にオススメなのが、「大学入試 世界一わかりやすい 英文法・語法の特別講座」という参考書だ。
これは本当にいい本だ。
英文法のつまずき易い箇所をわかり易く解説してある。
単語帳は何を使ったらいいかと言うと私は「DUO 3.0」という単語帳を使用したが、この単語帳は少しレベルが高いのでその前により基礎的な単語帳を使うことを推奨する。
定番の売れている単語帳だと、「英単語ターゲット1900」や「システム英単語」がある。
どちらを使ってもいいだろう。
それらのいずれかを勉強した後には、「DUO 3.0」にトライして欲しい。
この単語帳の暗記すべき基本例文560本には、英単語1600個と英熟語1000個が重複なしで入っている。
別売りのCDにはその基本例文560本が60分で収録されているので、繰り返し聴いて暗記するのに適している。
基本的な英文法と英単語をマスターしたら、次は英文解釈の勉強に入ってもらいたい。
英文解釈とは、比較的複雑な英文を品詞分解してその構造を理解して英文を読むことだ。
要は、この箇所は形容詞でこの箇所は関係代名詞というふうに英文を品詞(動詞とか名詞とか形容詞とか)に分解して細かく分析し、複雑な英文を読み解く技術のことである。
英文解釈の参考書は、「入門英文問題精講」と「大学受験のための英文熟考 改訂版」の上下巻がいいだろう。
この辺りまでを勉強すれば、簡単な英文なら読めるはずだ。
大学受験の英文もかなり読めるだろう。
しかし、まだ英字新聞や英語の本を読むには早いかもしれない。
私はこれまでこの記事に書いてきた参考書を勉強した後、2023年の10月にJapan Timesを購読したが、理解できない英文が多くまだ私には時期尚早であった。
リスニングとスピーキングの勉強法に関しては触れて来なかった。
私の場合、それらの基礎はアメリカとインドでの生活という実地で学んだ。
ある程度の基礎はあったので、その後は英語の文章を録音してあるCDなどを繰り返し聴く程度でリスニング力の維持&向上はできた。
私は実際には使用してないのでわからないが、「CD2枚&音声ダウンロード付 改訂版 大学入学共通テスト 英語[リスニング]の点数が面白いほどとれる本」が良さそうである。
後は月並みだが、アメリカのテレビドラマとかを観るといいかもしれない。
私は観てないが、評判の高いのが「フレンズ」だ。
スピーキングに関しては勉強というより実際にやってみないと上達しない。
英語ネイティブの知り合いなどが周りにいない場合は、オンライン英会話を利用するのもいいだろう。
英会話を何か特別に難しいものだと考えている人もいるが、それは訓練で誰にでもできるようになるものである。
今回は英語とその勉強法について書いた。
私も現在進行形で英語の勉強をしている途中なので、何かまた発見があればこのブログに書いていくつもりだ。
では。。。