真理の相対性と非ユークリッド幾何学の登場

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私は「はじめての構造主義」という本で知ったのだが、ヨーロッパにおいてあらゆる学問の模範とされたのが、ユークリッド(エウクレイデス)が大成した「ユークリッド幾何学」であった。なぜかというと、ユークリッド幾何学によるとあらゆること(三平方の定理ピタゴラスの定理など)は証明によって導けるが、五つの事柄(公理)だけは他から導くことはできず、よって宇宙=世界はこれら五つの公理により(神によって)設計=記述されていると考えられたからである。

が、なんと19世紀になり「「ユークリッド幾何学」って本当に真理なのかな?」と疑問に思う数学者がたくさん現れて、五つの公理をイジってみたのだ。

するとビックリ。

なんと、2000年ものあいだ真理だと思われていた五つある公理を他に置き換えても、支障なく成り立つことが分かったのである。  

これは、それまで絶対的客観的真理の存在を信じていた多くの学者たちには衝撃的な発見であった。脇道に逸れるが、これと同じ時期に同様の事態、つまり、真理相対主義が哲学の世界にも訪れていたのである。

ユークリッド幾何学・・・19世紀に発見された幾何学で、それによりそれまで信じらてきた五つの公理が、客観的な真理ではなく単なる約束事に過ぎないことが分かってしまったのだ。

ちなみに、哲学の世界で真理の相対性を言ってしまったのはニーチェである。