私が知る限りでの史上最も鬱な男はブッダことゴータマ・シッーダールタだ。
四苦八苦という言葉は聞いたことがあるかと思うが、これはブッダが人生をどう捉えたかを示す言葉で本当に救いがない。
四苦八苦は4➕8=12になりそうなものだが、なぜか8つの苦しみである。
まず、四苦は「生(しょう)」「老」「病」「死」。
人皆、望むと望まざるとに拘わらずこの世に生まれ、苦しみに満ちた生を生き、老いて病気になり死ぬというブッダの人生観だ。
むちゃくちゃ悲観的である。
残りの四つの苦しみは以下の通りだ。
1、愛別離苦(あいべつりく)
2、怨憎会苦(おんぞうえく)
3、求不得苦(ぐふとくく)
4、五蘊盛苦(ごうんじょうく)
愛別離苦とは「愛するものと別れて離されて苦しむ」という意味だ。
愛する人と離ればなれになる苦しみのことだ。
怨憎会苦は「怨み憎い人間と会い苦しむ」。
憎かったり嫌いな人と会う苦しみ。
求不得苦は「求めるものを得ることが不可能で苦しむ」。
欲しくても手に入れられない苦しみ。
五蘊盛苦に関しては漢字の意味がわからないが、「心身の苦しみ」という意味らしい
そんなにこの世に絶望しているのなら死ねばいいと思うかもしれないが、自殺すると来世では人間以下の存在に生まれ変わり、より辛く苦しい生が待っている。
だからと言って、出家というのも良くわからない。
出家してひたすら瞑想などの修行をするのである。
なんら生産性がなく社会にとって益がない。
話は逸れるが現代日本において、出家したお坊さんが病気になったらどうするのだろう?
病院に行って医者にかかるにも、国民健康保険には加入しているのか?
お寺での修行もできない程歳を取ったら?
死んだら葬儀はするのか?
その葬式代は誰が払うのか?
閑話休題。
話をブッダに戻す。
ブッダは釈迦族の王子として生まれ、物質的に恵まれた生活を送っていたが、それに虚しさを覚え出家した。
私ならその安穏とした生活に易々と流されそうである。
間違っても苦難に満ちた修行の生活など送らない。
王子として勝ち組の人生を約束されていたにも拘らず、無職のニートになったあたり、最強の鬱男の称号が相応しい。