神話の共通点
「古事記」や「ギリシア神話」などを読むと、数々の共通点がある。
それら共通点をまとめて書き出してみた。
①災の元は女性
a「旧約聖書」の"創世記"において失楽園(エデンの園からの追放)の原因となったのは、神から食べることを禁じられていた知恵の実(林檎と言われている。アップル社のロゴが欠けた林檎のマークなのはこれと関係があるのか?と疑問に思っている)をイヴが食べたから(蛇に唆されてまずイヴが。次にイヴがアダムに勧めた)。
b「ギリシア神話」でも開けてはいけないと言われていたパンドラの箱をパンドラが開けたことによって、その箱の中から悲しみや怒りといったものが世界に溢れ出たとされる。
ちなみにイヴもパンドラも最初の人類の女性である。
②死んだ妻を追いかけて冥界へ
a「古事記」によると、この日本という国はイザナギ(男の神)とイザナミ(女性の神)によって生まれた。
そして、イザナギとイザナミは日本を生んだあと様々な神々を生んだ。
火の神・カグツチを生んだ際、イザナミは重度の火傷を負い死んでしまう。
イザナミのことを思い出して悲しんだイザナギは黄泉の国(あの世)へと会いに行く。
が、そこで見たイザナミは変わり果てた姿になっていた。
b「ギリシア神話」の神・オルフェウスは、妻のエウリュディケが毒ヘビに噛まれ死んだので冥界(あの世)へ赴く。
工ウリュディケを取り戻した後、冥界から脱け出すために二人は明るい地上を目指して小道を進んで行く。
冥界の神・ハデスは「地上に出るまで決して振り返るな」と言う。
が、不安に駆られたオルフェウスは後ろを見てしまう。
そして、そのことによってエウリュディケは消えてしまう。
③最悪の時代に生きる我々
a「ギリシア神話」では今は神々に人間が見捨てられた"鉄の時代"とされる。
b「仏教」でも今は"末法の時代(仏陀の教えだけが残っていて、その教えに基づく修行と悟りがない時代)"。
a「古事記」による日本人と日本。
神が創った国が日本であり、その神々の子孫にあたるのが天皇家。
神の子がユダヤ人であり、そのユダヤ人に神が約束したのがパレスチナの地("トーラー"、俗に言う"モーセ五書"において)。
⑤兄弟間の殺人
a、「旧約聖書」の中でアダムとイヴの産んだ子供にカインとアベルがいたが、兄のカインが弟のアベルを殺した。
b、「ローマ建国神話」において狼に育てられたロムルスとレムスの双子がいたが、これまた兄のロムルスが弟のレムスを殺害した。
⑥冥界の食べ物
a「古事記」においてイザナミは火の神・カグツチを産んだときに火傷で死んで冥界へと行ったが、その地でその地のものを食べた結果、この世へ戻って来れなくなったとされる。
b「ギリシア神話」においても似たような話がある。
冥界の神・ハデスはゼウスの娘であり豊穣の女神であるデメテルのそのまた娘・ペルセポネに恋をした。
デメテルは嘆き悲しみ、何とかして娘・ペルセポネを地上に連れ戻す。
が、ペルセポネは冥界でざくろを3分の1食べてしまったため、1年のうち4ヶ月間は冥界にいなくてはいけないようになり、その間、母・デメテルは悲しみ農作物は取れなくなるらしい。
これが冬のことだという。